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改 四号請求訴訟のブログ

国分寺パチンコ訴訟、議会を利用した前市長


 市長が図書館を設置するためには条例の制定が必要でした。


 前市長は最初に、この条例を制定するのに、市長提案でしようとします。
 そのためには教育委員会での審議に図る必要がありました。
 手続きとして必要なのは教育委員会の審議でした。

 前市長は「急ぎなので」などとこの審議を教育委に要請しています。

 すると、教育委員会の委員長はこの提案に疑問を持ちます。

 「もし市長がパチンコ屋の出店を妨害するために図書館を設置しようというなら、違法行為の疑いがある。そうじゃないにしても、なんで今、図書館をこの場所に設置したいというのかもわからない。意味不明だから、継続審議にする」

としてしまいます。


 これにより市長が議会に条例を提案して、図書館を設置することができなくなってしまったのです。

 この教育長は弁護士でした。

 このようなやり方で図書館が利用されることは違法であると誰もが分かっていたのです。




 教育委員会に断られると、前市長は議会を利用して条例を制定させ、図書館を設置することを思いつきます。
 もちろん、教育委は継続審議ですので、これを無視することになります。

 しかも、これまで議会が図書館を設置するという提案をして条例ができ、図書館が建設されたことは一度もありませんでした。

 しかし手続きとしてはできる、異例で前例がなくとも、これならやれると当時の副市長のブログでもそんな経過と興奮がつづられています。


 私はこの元副市長のブログも裁判の証拠として提出済みです。



 前市長は議員に働きかけ、条例を制定させようとします。
 パチンコ屋ができてしまってからでは妨害ができなくなるので、なんとしても先に図書館を作る必要があったのです。

 そして、前市長はもし協力してくれないのであれば専決処分をしてしまうようなことを臭わせ、協力するよう圧力をかけます。

 
 「議会は、前市長が専決処分で図書館を建ててしまう事態を危惧した」

 これが議会がなぜこのような条例の成立に手を貸したのかを説明するほぼ確実な推論です。


 その後、鹿児島県阿久根市で市長の専決処分が問題となります。マスコミを騒がせた大きな事件だっただけに覚えておられる方もいるでしょう。
 あのような事態が国分寺でも進行していました。
 議会は議会権限を守ろうとし、打算的な判断で前市長の要請に応じたのです。
 

 政治家としてはシロウト同然の星野前市長でしたから、すでに多くの専決処分を行なっていました。


 議会が無用のものになってしまう。
 市長の独断、専決でやられる可能性はある。その専決処分の対象が定められていると言っても、「緊急性」などいくらでもつけられる理由はあります。

 そもそも手続きを無視されても議会には法的な対抗手段はありません。
 それほど市長の権力というのは大きいのです。



 実はこの事件では、条例の制定を議員らが全員一致で、それこそ誰一人の反対や棄権もなく、注意のような意見もなく行なわれたことに特徴的な点があります。
 これは議員らの総意と言うべきでしょうか。
 違います。

 全員一致という異例の事態には別な理由があるとしなければなりません。


 この時、この条例を可決して何をするか、個人の営業妨害のために図書館を作ることは誰もが知っていたのですが、誰も異論を差し挟まなかったことは極めて異例でした。


 その謎の答が、「市長は専決処分を議会にチラつかせて脅した」という推理なのです。



 そうして一方で市長は、議会には市の法律顧問や専門家に相談したことを示し、「専門家は負けることはないと言っている」などとの説明をします。

 そのような紙が証拠として残っています。


 こうして議員らは自分らに責任が及ばないのであればと、とうとう条例を成立させることに同意したのでした。


 それはわずか3日間の交渉でした。
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