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改 四号請求訴訟のブログ

国分寺パチンコ訴訟 市長の工作


 とても興味深いところではありますので、少し細かいことですが、この前市長が市長部局に「法的に問題ないと法律関係者に相談をして回答を得た」という資料をでっち上げさせたことについて書いてみることにします。

 これは細かい話ですので、特に重要ではありません。
 もちろん、法廷では大きな立証として私はこれを明らかにしています。
 ただ裁判長はわかってくれたのか。少し心配です。

 どうしても前審を基準にしてしまう弁護士もいるでしょうし、裁判官も前審ばかりを見てしまう人もいるかもしれません。




 まず、原審でも、たぶんこの「法律相談」なる資料の役割についてはすっかり見落とされていたのだと思っています。
 もしかすると訴えた事業者は、「法律相談が間違っていて市長はそれに従っただけ」などと、責任転嫁されても困ると考えかもしれません。

 この「法律相談」のペラ資料というのは、一見するとまるで「複数の法律関係者に今回の図書館設置による営業妨害というテーマを一度に聞いた」かのような体裁でした。



 しかしよく見てみれば相談の日付は違いますし、順に「随時」に行った相談ということは明らかです。
 その時々に検討されていることに応じて相談していった記録であることが注意をすればわかるのですが、原審でも事業者はこれを誤解していたぐらいだと思います。

 私も最初はそういうものと思ってしまったぐらい、この文書の体裁は巧妙に出来ていました。




 そして、これは随時の相談だったということに着目すると、話の流れがすんなりと合点が行きくようになるのです。


 市長部局はまず、

 図書館を設置してパチンコ屋の出店が妨害できるか?と尋ねます。その風営法の規制について確認したわけです。それが最初の法律相談でした。
 答えは、隣50メートルの範囲で営業が出来ない規制にあたり、パチンコ店は出店できないというものです。
 市長部局はまず有効かどうか確かめたわけです。


 次に、そのような妨害の法的な問題点と、問題にならないようにできるヒントを求めます。
 中央大の先生でしたが、彼は最高裁の判例を念頭に回答します。
 つまりそんなことをすれば法の趣旨に反した濫用ととられると言うものです。
 そして、そうならないよう図書館が最初から必要だったなどとアリバイが必要とのアドバイスをします。


 ※ そして、次にこれだけの妨害をしても図書館設置の取り消しを求められて、結局パチンコ屋が開店できてしまっては何もならない、そういう訴えをされて図書館を作っても意味がなくなってしまうということはないか?そう聞きました。
 つまり、この「出店妨害の確実性について」市長部局は相談したのでした。

 答えは、「それを訴えられても勝てる」というものでした。
 「一度、出店はできないとされたものを覆し、図書館を撤去させるような法律判断は出ないだろう」というものだったのです。
 つまり、ここの答えは「やれば出店妨害が確実に出来る」という相談と回答でした。


 最後の法律相談はこれからやろうとする政策について尋ねています。
 その答えは、「違法性が高く市は訴えられる、ゼロではない金額が賠償請求されるだろう」というものでした。



 つまり、結論としてこの相談の記録には起承転結があり、最後には「違法で賠償させられる可能性が高い」となっていたのです。



 この※で示した三番目の相談内容を市長部局はかいざんしています。
 「訴えられても勝てる」と言う部分を際立たせたのが市長部局の行なった工作でした。

 回答者の回答内容を改ざんすれば何を言われるかわかりませんが、質問した市側の内容を変えてもそれは市の内部でのまとめ方の問題である、市長部局はそう通したのです。


 結局、最後の質問にいたるまで段階を追って質問が行なわれてゆき、最後には「このようなことは違法である」とされているのですが、文書の体裁もあいまって、市長部局は「法律関係者に色々話しを聞いたが、訴えられても負けないというお墨付きは得た」という資料にみせかけたのです。

 三番目の市側の質問は「このことで訴えられたら負けるかどうか」とし、意味をまるで「営業を妨害した後に訴えられたら負けるかどうか」と尋ねたかのようにしたのでした。




 議会はこれを一瞥はしたかも知れませんが、内容にそこまで細かく考えることはなく騙されてしまいました。
 議会答弁でも市長部局はこれを平然と「負けないということですので」などと答弁をしています。
 むしろ議会としては議会権限を守ることに気をとられていたのでしょう。
 いずれにせよ、違法な執行をするのは市長なのだからと、見過ごしにしたのです。

 そして、市長部局(副市長)の答弁で、「法的には問題でも訴訟には勝てる」などという、奇妙な認識が広まっていったことも大きかったといえます。


 改めて書いてみると確信犯的な市長部局の工作でした。
 そのあまりの違法なやり方には驚愕するしかありません。



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