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改 四号請求訴訟のブログ

国賠法1条2項の規定について


 行政の長である市長は、市のために働くことを負託された執行長です。
 法に従って善管注意義務とともに慎重な執行をしなければなりません。
 例えば市長が市の費用の節減をしても個人として成果報酬が支払われることはありません。
 これに対し、首長がその公的責任と職務義務に違背し自治体に損害を与えた場合には、『故意または重大な過失』として個人に対する求償権が発生します。

 これはどういうことでしょうか。
 国賠法1条2項にある規定は、「公務員は法治主義に基づき法や法令を遵守して執行するもの」という公権力に裏づけを与えるものです。


 それは「自分の利益が目的でないなら公務員の違法行為に責任は及ばない」などという法理ではありません。

 むしろ違法行為を行って求償権が成立すれば、それは「公務員としての行為ではない」とされると理解すべきと考えられます。
 つまり、法と法令を遵守すべき首長の責任と義務から逸脱して行なった違法行為は「首長」としての違法行為であろうはずはなく、あくまで個人の故意または重過失として賠償責任を負うとの解釈ができるのです。

 首長の執行は公人としてのものであり個人としてのものではありません。
 これに対し、違法行為は『故意または重大な過失』によって賠償義務を個人に発生させます。


 なぜなら、「自治体の首長という権限者は違法な執行を行わない」というのが法治国家の前提に他ならないからなのです。




 私は国賠法1条2項の規定についてそう理解しています。



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